転章



樹海を出てみると、すっかり日が暮れていた。


―――これから一人でどこへ行こう・・・


そんなことを考えていると、横手から誰かが駆け寄る足音がした。

「―――避けろ!」

突然聞こえたリオンの声と、その姿に、私はなにもすることができなかった。

何か硬いものが空を切って、私はそれを避けようとしてバランスを崩し、尻

餅をついた。

見上げてみると、リオンが肩で息をしていた。

そしてその手にある魔剣の切っ先が、私の頭をまっすぐに指している。


―――・・・リオン・・・・・・?


私は、目の前にいるのがリオンではなく、”魔剣”なのだということを悟った。

「・・・私を・・・・・・エマソンへ連れて行って欲しい」

そう告げる彼の声は、とても震えていた。

「でなければ・・・」

言葉の最後のほうはとても小さく、しかも震えていたので聞こえなかったけ

れども、彼が・・・魔剣がなにをしようとしているのかは、いまのこの状態か

ら見当がついた。

だから・・・というわけではないのだけれども、私はリオンに向かって頷いた。

するとリオンは剣を鞘に収め、立ち上がる私に向かって頭を下げた。

「・・・・・・頼む・・・」

その声は、吹く風に掻き消えそうなほど、小さく、弱々しかった。






                         ・・・・・・ to the next journey






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