息を切らしながらようやくたどり着いた、頂上。


そこは大きな広場のようになっていた。

樹郷にあったものと、よく似ている。

誰かがここへ来たことがあるのか、大きな石でできた柱が、4本立っ

ている。

薄く雲がかかっており、あまり周りを見渡すことができなかった。

柱の中央のところへゆっくりと歩いてみると、まるで私に道をあけるか

のように、徐々に霞が晴れていった。


私にはとても、自然にできたようには思えなかった。


高い柱が4本、天に伸びていた。

その表面には、なにかとても細かい模様が彫られてある。

誰かがここへ来て、このような柱を立てていったのだろうか?

それとも、石のように見えるこれらはすべてこの樹の一部なのだろうか。



足元の硬さに視線を下げてみると、床には同じ大きさの四角い石が、

均等に並んでいた。

そしてその石にも、何か円状の模様替えがかれている。


―――いったいここは、なんなのだろう?


そして一番私の気を引いたのは、柱の中央にある、小さな石台だった。

真ん中に、なにかが置いてある。


いや、浮いていた。


私は台に近づいてみた。

それはとても綺麗なものだった。

どういうものなのかは、私にはわからなかった。

一見、石のように見えるけれども、澄んだ碧い色をしている。中には蒼い

球状のものが浮いていて、そこに、私の顔が映っていた。その周りは水

面のようにゆらゆらと動いていて、時折、赤や緑の光がどこからか湧き出

し、炎のように揺らいで溶けていく―――


―――これが、樹海の秘宝なのだろうか・・・?


途端に、私は胸がつかえたような気持ちになった。

私には、目の前にあるものに何の価値も見出せなかった。

どのようなすばらしいものなのかは、秘宝、とだけしか聞いていない私に

はわからない。わからないのだけれども・・・・・・


―――樹海は、いままで人の手によって壊されてきた。


ジェニライさんが、ふと、漏らした言葉。


―――やっと、終わるのね。



こんなもののために・・・・・・

―――私がこれを持ち帰れば、みんな、樹海を離れてくれるのだろうか。

私は、そっとそれに手を伸ばした。

グラブを通しても、その感触が私に伝わってきた。

石のようにひんやりとしているのだけれども、その中に、微かな温かさが

波打つように広がっている。

私はそれを、両手ですくい上げるように取って、自分の目の前に持ってき

た。よく見てみると、中にある蒼い球はとても小さな光のつぶが、集まって

できているものだった。その、ひと粒ひと粒が、陽の光をうけてさまざまに煌

めいていた。

私は、しばらくそれに見とれていた。







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