木漏れ日を受けて、様々な色彩を放つ木々の葉。 微かな光の加減で、その色調は千にも万にも変わる。 それはまるで人の心のよう。 ここに、樹海がある。 常に一部ないし全体が霧に覆われ来るものを拒む、樹海。 そんな樹々が何かを守っていると誰かが言い出したのは、 いったいいつのことだったか。 その言葉がきっかけで、樹海は人々に侵されることとなった。 樹々は悲しんだ。 いくら樹が濃い霧を生み出そうが、いくら動物たちが脅そうが、 欲の虜となった人の前には全く無力だったのである。 人々は樹海を自らの住家へと変えていった。 いや、正確には人々が森の民へと変わっていったのだ。 彼等は樹民と呼ばれた。 樹々は英雄を求めることにした。 強くなくてもいい、誰か、我々を助けてくれる存在 ・・・樹々は祈った。 そして。 時は流れ、一人の少女が樹海を訪れることになった。 話は、そこから始まる。 |